■作動油とパッキン材質の適合性
パッキン材質 |
適合作動油 |
油温および
周囲温度 |
一般鉱物
性作動油 |
水・グライ
コール系
作動油 |
リン酸エ
ステル系
作動油 |
W/O
作動油 |
O/W
作動油 |
@ニトリルゴム |
○ |
○ |
× |
○ |
○ |
-10〜+80℃ |
Aウレタンゴム |
◎ |
× |
× |
△ |
△ |
-10〜+80℃ |
Bふっ素ゴム |
○ |
× |
○ |
○ |
○ |
0〜+100℃ |
E水素化ニトリルゴム |
○ |
○ |
× |
◎ |
◎ |
-10〜+120℃
注3)-10〜+100℃ |
注1)◎、○印は使用可、×は使用不可を示し、△印を使用する場合はご相談ください。
注2)◎印は耐摩耗性を重視する場合の推奨パッキン材質を示します。
注3)水素化ニトリルゴムを水-グライコール系作動油、W/O作動油、O/W作動油で使用される場合は、
-10〜+100℃の油温範囲でご使用ください。
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■ウレタンゴムとニトリルゴムの選定指針
標準シリンダのパッキン材質として、ウレタンゴムとニトリルゴムがあり選定にあたっては、下記の選定基準を
目安にしてください。
・ウレタンゴムの特性
ウレタンゴムは「パッキンの選定基準表」に示すように、引張り強度がニトリルゴムの約2.5倍で、そのため
耐圧性・耐摩耗性が非常に優れています。しかし、ウレタンゴムは長期間の使用において熱および作動油
の劣化により、(油温との相乗効果あり)ゴム材質が変化することがあり、約1年毎の分解点検の必要があ
ります。
・ニトリルゴムの特性
熱および作動油の劣化による影響はウレタンゴムに比べて緩慢です。ニトリルゴムはウレタンに比べて、
引張り強度が小さいため、耐圧・耐摩耗性は若干低くなります。従って、低圧で使用頻度が低く2〜3年間
分解点検することなしに使用する場合は、ニトリルゴムが適しているといえます。
・水素化ニトリルゴムの特性
高温において、ふっ素ゴムより耐摩耗性を必要とする箇所や常温においてニトリルゴムより耐摩耗性を必
要とする箇所に最適です。 |
■パッキン選定基準表
項 目 |
ニトリルゴム |
ウレタンゴム |
ふっ素ゴム |
水素化ニトリ
ルゴム |
耐摩耗性 |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
作動油の劣化に対しての寿命 |
○ |
△ |
○ |
○ |
油温が高いときの寿命 |
○ |
△ |
○ |
◎ |
ロッド部からの油漏れ |
○(JIS B種) |
◎(JIS A種) |
○(JIS B種) |
◎(JIS B種) |
高温で使用頻度が高い場合 |
○ |
◎ |
△ |
◎ |
低温で使用頻度が低い場合 |
◎ |
○ |
○ |
◎ |
引張り強さ(参考値)MPa |
17 |
47 |
15 |
30 |
注)◎○△は選定するうえでの優位の順です。
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■スリッパシール選定上の注意事項
・概要 摺動部のふっ素樹脂とバックリングのニトリルゴムを組合せ
たシールです。
・長所 Uパッキンに比べ低速作動に優れています。
例)70/140H-8シリーズの最低速度
Uパッキン:8mm/s
スリッパシール:1mm/s
・短所 Uパッキンに比べ内部漏れ量が多くにります。
図の様に外力がかかる使用においてピストン位置を保持
させる場合はUパッキンを推奨します。
注1)使用可能油温範囲および作動油との適合性についてはニトリ
ルゴムに準じてください。
注2)スリッパーシールは、日本バルカー工業株式会社の登録商標
です。 |
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